🩺 入社1年を振り返る
こんにちは、ヘンリーでQAエンジニアをしている tsukiG です。
気がつけば入社して1年が経ちました。
「そろそろ何か発信しないとな…」と思いつつ、ようやく筆を取りました。
医療というまったく新しい、そして難易度の高いドメインに飛び込んだことで、 正直、なかなかスムーズにはいかず、日々の調査・理解に多くの時間を要していました。
それでも、外来体験のリニューアルという大きな節目を迎えることができました。
ようやく、 「自分たちは何をしてきたのか」「なぜそれが必要だったのか」を、少しずつ言葉にできるようになってきた気がしています。
今回はこの1年を振り返りながら、 ヘンリーという医療スタートアップが、どのように品質と向き合っているのかをお伝えしたいと思います。
🕹️ 入社前
私はこれまで約15年間、QA/テストの世界でキャリアを積んできました。
とはいえ、基本は エンタメ業界。 ゲームやMVNO、音楽配信、広告など体験重視のB2Cに関わっていました。
そんな私が自ら選んだとはいえ、医療の世界へ。
当然、医療に関する知識や経験はゼロ。
分厚い診療報酬制度の本に恐れおののいた記憶も未だに鮮明です。
でもそれ以上にワクワクしていたんです。
「自分の考える品質ライフサイクルが実践できるかもしれない」と。
🔍 入社の決め手:ホリスティックテストの思想
私自身が理想とするのは「ホリスティックテスト(Holistic Testing)」です。
これは、Janet Gregoryが提唱している考え方で、 開発ライフサイクル全体にテスト活動を織り込み、“誰もがどこかの工程で品質に関与する”という文化を指していると私は解釈しています。
ヘンリーの面談でその萌芽を感じ、「この組織なら実践できるかもしれない」と思えたことが、入社の大きな決め手になりました。

🧠 実際どうだったの?
結論から言うと、ヘンリーはホリスティックテストの実践に非常に近い状態にありました。
たとえば、こんなシーンが見られました:
ドメインエキスパートがQAにロールチェンジし、卓越した現場力でテストをリード
エンジニアが自らE2Eテストを設計・実行
ビジネスサイドのメンバーが週次でリグレッションテストを実施
ドメインエキスパートがmablで自動テストを作成
代表の逆瀬川が自らテスト設計・実行を行う。QA meetupから積極的に学びを持ち帰る
入社直後の印象
この姿勢は、入社当初から強く印象に残っています。
そして、 時には 立ち止まり 工程を遡る そんな柔軟性も時折見ることができ、
まさにホリスティックテストというネーミング背景を体現していると感じました。
一方で、体系的なプロセスやテストに関する知識の整備という点では、まだ発展途上。
品質を“安定して”支える仕組みづくりには、多くの改善余地があると感じていました。
とはいえ、 体系的なテストの知識があるわけではなく、 プロセスや効率化、そして品質を安定して保つ仕組みにはまだ課題が依然多く残っていました。
🔧 入社後に取り組んだこと
そのような課題に対して、私は次のようなアクションを進めてきました。
🧱 テストプロセスの整備と運用
- テストが抜けたままリリースされる…を防ぐために
- リリースプランの運用ルールを明文化
- チーム内で共通認識を得るための場づくり
🧭 マインドマップを活用したテスト分析
- テスト分析にマインドマップを導入し、仕様理解を“構造化”して見える化
- 観点のレビュー性・網羅性を向上させる土台として活用
🏗️ ハイレベルテスト設計による探索的テストの促進
- 詳細手順に落とす前に「どの観点を検証するか?」を設計
- 必要に応じて詳細テストケースに展開し、探索と確認のバランスをとる
🌞 1年後の変化と実感
こうした取り組みの積み重ねにより、
プロダクト開発のライフサイクル全体における品質活動が、より組織的に進化してきたと感じています。
- Discover:顧客インタビュー、価値仮説の明確化
- Understand:BDDや実例マッピングの導入
- Build:開発中からビジネスチームによるフィードバック
- Deploy:横断的な探索的テスト、非機能テストの実施
- Release / Observe:Feature Flagを活用した段階的リリース、パフォーマンス監視
- Learn:仮説検証やOSTを取り入れた振り返り
という実感を、より多くのメンバーが持てるようになってきたと思います。
🔭 これからの展望と「元気玉」的品質づくり
今後もホリスティックテストの実践を深めていきますが、
次のチャレンジとして以下のような領域に取り組んでいます:
- チームごとの最適な品質プラクティスの探索
- Agile Testing(4象限)との再接続
- BDD / 実例マッピングの実践
有名な漫画に「元気玉」という技があります。
多くの人から少しずつエネルギーを分けてもらい、それを集めて大きな力に変える必殺技です。 私が考えるホリスティックテストも、まさにこの「元気玉」に近いものだと思っています。
一人ひとりが少しずつ品質を意識し、行動に移すことで、結果として大きな品質が生まれる。
ただ、それだけでは足りません。 ホリスティックテストで本当に大切なのは、集めた“エネルギー”が人や工程をまたいでも減衰しないこと。 つまり、
品質に対する熱量が組織全体にスムーズに伝わる“伝導率の高さ”
が肝だと考えます。
QAはその“エネルギー”をうまく集めるだけでなく、 それがライフサイクル全体に途切れなく伝わり、自然に循環する仕組みをつくる存在でありたい。
そんな「元気玉の伝導路」のような品質の仕組みを、 これからも医療という難易度の高い現場で、粘り強く磨いていきたいと思います。
2025/07/30にヘンリー主催のQAイベント開催します。 その中でホリスティックテストの話をLTで話す予定なので、ご都合あえばぜひご参加ください
📮 最後まで読んでいただきありがとうございました!
「医療×QA」「ホリスティックテスト」などに興味がある方、ヘンリーに興味を持っていただいた方、一度お話ししましょう。
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