この記事は株式会社ヘンリーのカレンダー | Advent Calendar 2023 - Qiitaの 12/8 の記事です。昨日は和田さんの医療現場のプロダクト開発をする事になった私が現場を理解するためにしていることという記事でした。
ヘンリーで SRE をやっている id:nabeop です。職種は SRE ですが、有志として社内の技術的なアウトプットの後押しを隙間時間でやっています。今回は後押し施策の1つとして社内技術勉強会 (略してギベン) を立ち上げたので、その様子について紹介します。
ギベン立ち上げの経緯
ヘンリーではギベンが開始される前から技術にかかわらず、特定の話題に興味がある有志によって勉強会が開催されていたので、勉強会が活発な組織という印象がありました。ただし、継続的な勉強会というわけではなく、スポットで勉強会が開催されるという感じだったので、気軽に参加できるようなゆるい感じの勉強会が定期的に開催さると良いかも?と思っていました。
そのような中、今年の夏頃に id:Songmu さんが「社内技術勉強会をやるぞ」というエントリが社内ブログで出されました。
そのエントリのなかで id:nabeop はノウハウがありそう、ということで指名がありました。実際に前職でも技術勉強会の運営には携わっていたし、ヘンリーでも同様の取り組みをしたいと考えていたので、やるぞ!という気持ちになりました。
カジュアルだけど継続して開催できる場を作るために考えたこと
まず、技術勉強会の目的は
- 社内のエンジニア同士の横の情報共有の促進
- 技術発進力の向上
の2つを目的にしました。
ヘンリーでは元々ほぼ全ての人がリモート勤務で、人数も増えてきたということもあり、他チームの様子やそもそも仕事であまり関わることもない人もできてきたので、気軽に情報共有をしつつ、人となりがわかるようにしたいと思っていました。特に僕は開発チームに所属しないで組織横断で改善を進める部署の SRE をやっているということもあり、他チームとの交流は積極的にしていきたいと考えていました。
また、ヘンリーではエンジニア含めて積極採用を展開していることもあり、世の中でのプレゼンスを上げたいと考えてもいます。技術勉強会で発表経験を積んで、対外発表のハードルを下げたいし、対外発表のネタになりそうな情報の共有もできたら嬉しいと考えていました。
このような背景もあって、個人的には上記の目的に加えて、
- 気軽に発表できる雰囲気作り
- 継続して開催できる
という裏目標を設定しました。
気軽に発表できる雰囲気を作るために、アンサーエントリに以下のように書いてみました。
- 発表内容は難しく考える必要はないです
- 仕事の内容に関わらず趣味の範囲でやっていることの共有とかでも良いです
- 発表のクオリティーは一旦忘れましょう。なんならノー準備でも大丈夫です
- 聴講者の場合はコメントをいっぱいして盛り上げてください
- 発表が得意な人は相談にのるなど、手助けをしてもらえるとありがたいです
この手のイベントを継続して開催するためにはコンスタントに発表者が確保できることが前提になってくるので、ハードルを高く設定しすぎないようにコントロールしつつ、発表してよかったという体験をしてもらえるように心がけています。とくに、あまりハードルをあげすぎると発表者の確保に難儀するということは経験的に知っていたので、期待値のコントロールには注意する必要があると考えています。
なので、「発表のクオリティーは一旦忘れましょう。なんならノー準備でも大丈夫です。」というところは結構重要です。実際に僕が発表する時に全く資料を用意しないで、普段使っているエディタである Emacs を設定ファイルを映しながら解説する、みたいなゆるい感じでやってみました。
また、「仕事の内容に関わらず趣味の範囲でやっていることの共有とかでも良いです」とあるとおり、「技術」勉強会と名乗っていますが、特にトピックについて限定していません。これは何かしら喋りたい内容が出てきた時に「これはギベン向きな内容か?」と考えずに発表して欲しいし、むしろ仕事以外で興味をもっていることを話してもらうと、同僚の個性が知れて、より交流が進むのではないかと考えたからです。
さらに、後からも見返しつつ、ギベンの雰囲気を感じてもらえるように
- ギベンは Google Meet の録画機能を使って保存し、かつ、コメントも Google Meet のチャット機能によってコメントのタイムスタンプ付きで保存されるようにする
- 後日、録画を YouTube にアップロードする時にコメントも追加する
というようなことをしています。
ギベンの様子
このような感じで2023年の8月から始めた毎週月曜日の夕方の30分枠でギベンを初めて、休日以外は毎週開催できています。個人的に印象に残っているのは以下の発表でした。
- OBS 解説
- OBS は気になっていたけど、実際にどんな雰囲気なのかとかがわかってよかったです
- 僕は mac ユーザで、macOS で動かす時の注意点とかも教えてもらえました
- treesitter 紹介
- treesitter については emacs 29 から標準で使える、くらいの情報しか知らなかったけど、この発表をきいてええやんとなって、emacs 29 で積極的に使おうという気持ちになれました
- ISUCON 13 反省会
- ISUCON の翌日に参加者からの報告がきけてよかったです
- 最近は参加できていなかったけど、来年は参加したいという気持ちになりました
他にも各方面から間接的に良い取り組みだね、という話も聞いているので、引き続きやっていきたいですね。
また、外部で登壇する前にギベンで発表してみて、発表内容のブラッシュアップをするなど、内向けのアウトプットから外向けのアウトプットへのリンクも出来上がりつつあります。ゆくゆくはギベンで発表した内容が外向きのアウトプットに昇華されるようなケースも出てくると良いなと思っています。