4月に入社したEMR(電子カルテ)部エンジニアのこん(k0n_karin)です。
この記事では、私が所属するEMR部のRチーム(仮名)の開発の様子を紹介します。入社してから約3ヶ月で感じたチームの動き方や雰囲気、ヘンリーならではのポイントを紹介します。
チーム紹介
Rチームは、PdM1人・エンジニア4人・デザイナー1人・QA2人という構成です。特徴的なのがメンバーのバックグラウンドで、QAの2人はどちらも元医療従事者で、それぞれ医療事務と看護師の経験を持っています。さらにPdMは社内の導入部の出身です。導入部は、病院にHenryを導入する前の説明・調整をしたり、運用フローを整備するチームで、いわゆるカスタマーサクセスに近い立場です。医療の現場を知っている人がこれだけ近くにいるのは、あとで書くようにとても心強い存在です。
チームは自分の入社と同じ4月に発足したので、自分としてはちょうどいいタイミングでスタートを切ることができました。
キックオフからスプリントサイクルが回り始めるまで
4月の全社開発キックオフからチームが動き出しました。ありがたいことに先行してPdMがユーザー要求を整理してくれていたので、自分たちはその要求をもとにみんなでイベントストーミングをして、業務プロセスやフローを考えるところからスタートしました。
イベントストーミングについてはこちらの記事がわかりやすいです。
医療の現場は連携するシステムも多いので、「どこまでをHenryでやって、どこからは連携先のシステムに任せるのか」という線引きや、「どんなイベントが発生するのか」をチーム全員で洗い出し、共通理解を作っていきます。

これと並行して、整理した要求をもとにしたユーザーストーリーをClaudeに食わせて、全部Linearというチケット管理ツールでチケットに起こしていました。こういった作業もClaudeのSkills化されていたので再現性があり、他のチームにも展開しやすい形になっていました。
ここからは、プランニング、デイリースクラム、リファインメント、レビュー、レトロなどのスプリントサイクルが回り始めます。大枠は一般的なスクラムイベントと同じなので、ここからはヘンリーならではの工夫や、やってみて感じたことを中心に紹介していきます。
デイリースクラム
デイリースクラムでは進捗の確認に加えて、前日に行われた意思決定の確認もしていました。開発を進めていると、毎日いろんなところで大小さまざまな意思決定が発生します。そのためLinearで「意思決定チケット」を切って運用していました。更新されたものや確定したものをみんなで確認でき、何より後から状態や決定に至った過程を振り返れるのが大きいです。「あれ、これってどうなったんだっけ?」と思ったときも、Linearを見たりLinearのAIに聞いたりすれば大体解決するので、かなり良かったです。

デイリーリファインメント
デイリーリファインメントでは、エンジニアでプランニングポーカーをしたり、ユーザーストーリーの整理や仕様確認をしています。正直に言うと、最初は「毎日リファインメントか〜」と思っていましたが、毎日話していても認識や理解のズレが生まれていることがあり、各スクラムイベントやSlackでも頻繁にコミュニケーションが行われ、そこで認識が揃ったり疑問が解消されることも多かったです。誰かの質問を聞いて「あ、自分も分かってなかったかも」と気づくこともあれば、その逆もあったので、コミュニケーションの回数の重要性を再認識しました。

スプリント中の開発
入社前後の大きな変化として、手でコードを書くことがほとんどなくなりました。実装はほぼすべてClaude CodeやCodexなどを使って実装します。これは別ブログで紹介しているdevワークフローのおかげが非常に大きいです。ちなみにヘンリーのエンジニアは全員がClaude Teamプランのプレミアムシート($100)を利用でき、希望者はChatGPT ProでCodexも使えます。
開発スピードはとにかく速くて、手で書いているとついていけないくらい速いです(もちろん周囲のサポートはちゃんとあります)。入社当初はこの速さにとても驚いて、いい意味でギャップを感じました。大体のものはAIに引き渡せる形になっていて、みんながそうしようとしている環境だなと思います。
参考までにPRの件数を紹介すると(PR件数だけで測ってはいけないが)、入社後3ヶ月だけで50件ほどのPRをマージできました。オンボード期間中でもこれだけのPRをマージできたのは、今まででは考えられないスピードでした。チームメンバーには同じ期間で100件を超える人もいるくらいのスピード感なので、気づくとdevelopブランチからかなり離れてしまっていることもあります。 これは前述のdevワークフローに加え、AutoApproveの運用(これも別途ブログになる予定です)とフィーチャーフラグのおかげもあり、ガンガンdevelopにマージして、ステージングには即デプロイされる体制になっています。本番デプロイは運用や病院様の都合もあって週1回ですが、緊急度が高いときはhotfixで本番デプロイも何度か行われていました。

レビュー・現地ヒアリング
レビューでは、チームに加えて社内の医療システムエキスパート(≒ドメインエキスパート)や元医療従事者にも入ってもらって、成果物のデモを見ていただきます。さらに月1回くらいのペースで病院様にもレビューに入っていただき、実際に触った感触のフィードバックをいただいていました。自分たちが作っているものが本当に現場で使えるのかを、早い段階から専門家の目で確認してもらえるのは非常にありがたかったです。医療従事者と開発者では全く目線が違うことも体感できました。
レビューに加え、チームで病院訪問してヒアリングする機会もありました。現場に行くと開発だけでは得られない現場の空気感や、現場で働いている方々の実態を深く知ることができ、机上の議論だけで拾いきれない運用課題や要求の解像度を上げることができました。実際に足を運んでヒアリングすると、想定と違うことや現場の方々の背景を知ることができ、一次情報に触れる重要さを再認識できました。

レトロスペクティブ・振り返り
レトロスペクティブでは、スプリントで起きた出来事のサマリーやスプリント内の感謝や良かった点・改善点をPCSS(Praise, Continue, Start, Stop)などで振り返っていました。
サマリーには、開発での重要な意思決定から完成した機能のデモ動画、Slack上の珍事件まで何でも書くので、みんなでワイワイ振り返りをしていました。
PCSSでは、みんなで付箋を書いた後に、特に議論したい付箋に投票して追加で議論をしていました。このおかげで、何かが形骸化し始めたり改善点があったときも、「これ意味薄くなってない?」「こっちのほうがよくない?」がカジュアルに出てきてネクストアクションにつながるので、プロセスが自然と良くなっていくのも感じられました。とても自律的なチームだと思います。
また、失敗が咎められないというのも印象的でした。言葉としてはもちろんですが、空気感としても「ナイストライ!」という雰囲気が強くチャレンジしやすく、フィードバックももらいやすいと感じました。サイクル中に自分の勘違いでスプリントゴールが達成できなかったときも、責められるのではなく、「失敗の原因は何で、次からは“みんな”でそれをどうカバーできるか」を前向きに考える、という流れだったので、「次のスプリントから意識して頑張ろう!」と思えるような空気感でした。

ちょうど先日、この3ヶ月間のチーム振り返りワークショップも行いました。この振り返りでは毎週のレトロスペクティブを元に、3ヶ月間で起きたイベントと、その時に感じたポジティブ・ネガティブなことを書き出して3ヶ月を振り返りました。レトロと同様に書き出したイベントでみんなで議論したいものに投票して、追加で議論をして次の開発につながるネクストアクションを決めています。
そしてワークショップの最後に、メンバー同士でそのメンバーの強みや良かった行動をフィードバックするバッヂ(〜〜〜という行動が良かったで賞みたいなもの)を送り合いました。送るときにはみんなの前でひとりひとりが真心こめた一言ともにバッヂを送るので、気恥ずかしいですがとても嬉しかったです。同時に、チームから見た自分の良さや行動特性がわかるので、自分の良さでチームに貢献しよう!と思えました。

チームで開発してみてのその他の感想
最後に、改めてこのチームで開発してみて感じたことを書いておきます。
まず、さきほども少し触れましたが、元医療従事者がチームや社内にいるのが本当に心強いです。「病院だとどうやってましたか?」「これってどう思います?」が気軽に聞けるのが最高でした。もちろん業務や運用は病院によって千差万別な部分もありますが、逆に変わらない部分も多いので、こうした生の声はとても参考になります。
そして、コミュニケーションがとにかくしっかりしていると感じました。SlackやMeetでは質問や意見がよく飛び交っていて、フルリモートだからこそみんなが意識的に発信している印象です。最近はスクラムイベントとは別に、素人質問OKな会や実際に画面を操作しながら疑問解消会などを定期的に開催し、質問の敷居を下げる取り組みも行っています。 一方で、話すことが多い分、議論がなかなか進まないこともそこそこあるので、時間管理や同期・非同期の切り分けは、引き続きみんなで頑張っているポイントだったりします。

おわりに
医療という難しいドメインに対して、活発なコミュニケーションと、AIによる高速な開発、そして挑戦しやすい雰囲気で向き合っているのが自分たちのチームの良さだなと感じています。この記事を通して、ヘンリーに少しでも興味を持っていただけたら何よりです!
本記事では公開できない・書ききれない内容もたくさんあるので、興味を持っていただいた方はぜひカジュアル面談でお話しましょう!


















