株式会社ヘンリー エンジニアブログ

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ダブルVPoEが取り組むチーム作りとは?急拡大するヘンリーの“芯”|ヘンリーという組織を紐解く

株式会社ヘンリーは、「社会課題を解決し続け、より良いセカイを創る」というMissionのもと、中小病院向けの基幹システムであるクラウド型電子カルテ・レセプトシステム「Henry」を開発・展開しています。

2023年2月には中小病院向けプロダクトをリリースし、事業の成長とともに組織の急拡大を図るフェーズに入ったヘンリー。8月からはVPoEを2人体制とし、エンジニアの採用・育成・評価などを強化していくことになりました。

今回は、ダブルVPoEとして開発組織のチーム作りに携わる張沈宇(Cyan:シアン)さん松木雅幸(Songmu:ソンム―)さんのお二人にお話を伺いました。ヘンリーがチーム作りにおいて大切にしていることや、今後の急拡大において注意すべきこととは、一体何なのでしょうか。

シアン(左)とソンムー(右)

組織拡大に伴う課題を解決するため、ダブルVPoEに

─ 今回、VPoEが2人体制になったのはなぜですか?

シアン:ヘンリーでは、2024年末までにフルコミット(週3日以上、計24時間以上勤務の従業員。2023年10月現在で47名)の数を100人以上にまで増やしていこうと計画しています。その計画通りに進めていくために必要な採用力を強化したり、組織が大きくなるにつれて出てきてしまいそうな課題をどんどん倒していくためには、VPoEが私1人では手が足りませんでした。

また、ヘンリーはエンジニア市場における存在感がまだまだ弱く、良さを知ってもらうための発信も必要だと感じていました。ソンム―は発信力を持っていますし、そういった面でも強みが発揮できるということもあって、ダブルVPoEという体制を作ることになったんです。

ソンム―:ヘンリーは今年の2月に中小病院向けのプロダクトをリリースし、今ではその手応えも感じられるようになってきました。ただ、そのプロダクトや事業の成長に合わせて、組織もどんどん拡大・成長させていかなければならない。そこが課題として出てきそうだと認識していますし、エンジニア採用や組織作りの面でやるべきこともたくさんあります。

つまり、採用力を高めてプロダクトチームの採用速度を上げ、組織を急速に拡大させていく必要があるのです。そこで、採用や組織作りに関わってきた私がVPoEになって、2人体制で進めていくことになりました。

─ お二人の役割分担について教えてください。

ソンム―:私は主にプロダクトチームの採用と技術広報、ヘルスチェックをメインに行っています。エンジニアの採用自体はもともとシアンがやっていたのですが、VPoEになって引き継ぎました。これまで私がやってきたことを生かしながら、開発組織をより良くしていくのが私の役割だと考えています。

シアン:私はプロダクトチームだけでなく、全体的な採用に関わるようになりました。必ず選考フローのどこかで顔を出す、という形ですね。ただ、業務内容としては採用をメインに行っているわけではありません。

社内外への広報やオンボーディング、目標設定など全社の施策に対して広く浅く携わり、どちらかというと採用より後の段階で、文化作りや仕組み作りの部分に関して動いているようなイメージです。

バリューを大事に、生き生きと社会課題に向き合うチーム

─ 現在のヘンリーは、VPoEの立場から見てどんなチームだと感じますか?

シアン:「生き生きしているチーム」だと思います。そしてメンバーがちゃんとプロダクトの価値を認識していて、自分たちの仕事によって社会に貢献していくぞという想いを強く持っています。

それが顧客の本質的なニーズや課題を深掘りして、その課題を解決するためのソリューションとしてプロダクトを提供しよう、という動きにつながっているのがヘンリーというチームが持つ強みなのではないでしょうか。

ただ、人が増えてチームも複数に分かれてきたことで、チーム間でのコミュニケーションが不足している部分は課題だと感じています。チームをまたいでフィードバックしあうような仕組みを作って、人が増えても組織全体で一体となって動けるように改善していきたいですね。

ソンム―:私もそう思います。ヘンリーのミッションが「社会課題を解決し続け、より良いセカイを創る」だからということもあり、ちゃんとチームで課題解決していこうと思って入社されている方ばかりなので、素敵な人が揃ったすごくいいチームだなと感じますね。

あとは私たちのバリューに「理想駆動」「爆速アウトプット」「ドオープン」という3つの考え方があるのですが、特に「ドオープン」の情報をオープンにする文化は、今いるメンバーと今後入ってくる方とで意識の差が生まれてくるのではないかと懸念しています。

そのあたりもちゃんと組織全体でエンジニアリング的に駆動していくことが、今後大事になりそうです。

─ チーム作りを行っていく中で、お二人が大切にされているポイントについて教えてください。

ソンム―:私たちはまだ小さいスタートアップ企業です。だからこそ、メンバーの中で「ヘンリーが世の中にどういう価値を提供しているのか」という目線を揃えることが大切だと思っています。

その上で、気持ちよく働いてもらえる環境を整えていくことが必要なのではないでしょうか。

シアン:その通りですね。事業だけが成長していくのではなく、事業とともに急成長できる組織を実現したいという観点も大切にしています。さらに言えば、事業がうまくいかなかったケースのことも考える必要がありますよね。

ソンム―:事業が苦しい時はきっとどうしてもやってきますが、そこで大事になってくるのがミッションやバリューといった文化だと思います。自分たちの行動指針や価値基準がきちんと浸透していれば、たとえ事業が苦しくても、人がどんどん抜けていって組織ごと崩壊する、といったことにはなりにくいのかなと。

─ バリュー浸透のために行われている取り組みはありますか?

シアン:「理想駆動」「爆速アウトプット」「ドオープン」3つのバリューを社内のSlackスタンプにして、みんなで使うようにしています。定例ミーティングの中では、最近スタンプが押されていたスレッドを発表して、バリューを意識してもらう取り組みも行っています。

ソンム―:バリューはちゃんと解釈することがすごく大事で、「これは理想駆動/爆速アウトプット/ドオープンを体現してるよね」とすり合わせていくことで文化が醸成されて認識が揃っていくのだと思うので、Slackのスタンプはいい施策だなと感じています。

バリューは自分たちが行動するときや、どういう人と働きたいか、どういう人が評価されてほしいか、といった部分を映す鏡であると思うので、大事にしながらアップデートしていきたいですね。

オンボーディングコンテンツもさらに強化

─ では、働きやすい環境を整えるためにやっていること・今後やっていくことはありますか?

シアン:今はオンボーディングにすごく力を入れていますね。入社する前の段階からどんな体験を提供したらスムーズにキャッチアップできるのか、入社した後は一人前になるまでどのようにサポートしていくのか、その後も継続的に生産性を向上させていくためには、といったことがヘンリーでの働きやすさに関わってくるので、全方面で設計を進めています。

─ オンボーディングの施策について、もう少し詳しくお聞かせください。

シアン:今やっているオンボーディングのコンテンツとしては、Notionに各自1つオンボーディングシートを作成して、取り組むべきタスクをチェックリストにしています。入社1日目には何をすべきか、最初の1週間ではこういうことをやって、といったタスクをこなしていって、その中でいろんな情報をキャッチアップしていくというイメージです。

Notionのオンボーディングシート

ただ、医療ドメインは複雑で深い世界なので、病院での実際のオペレーションやワークフローなどの実践的な知識も含め、もう少し踏み込んだオンボーディングをしなければなりません。今はそのあたりを整理・設計している段階ですね。

やるべきことの数が多くなってくると、今のようにチェックリストでこなしていくのは結構大変なので、ゲーム感覚でクリアしていけるように設計することを心がけています。ここはずっとブラッシュアップし続けるべきところですね。

複雑な医療ドメインに立ち向かう強いチームを作っていく

─ 現在のヘンリーは採用に力を入れて、どんどん人を増やしていく段階にありますが、急拡大に伴い注意しなければならないと感じている点はありますか?

シアン:出会える課題を先回りして特定し、内部の制度と仕組みをちゃんと整えなければならない、というところですかね。特にポジションが多くなると引き継ぎが不十分になったり、対応の精度が欠けてしまったりする可能性も考えられるので、コミュニケーション不足が起こらないように意識した組織作りをしなければなりません。

ソンム―:今、エンジニアの採用は売り手市場で、プロダクトチームの採用は難易度が高いのが現状です。それでも数値目標のために採用の基準を下げるようなことはしてきませんでしたし、これからもしないよう注意していきます。

あとは採用基準を明確にしておくことも大事ですよね。単にスキル的なことだけではなく、我々のカルチャーにフィットしているかとか、不確実性の高い状況でも楽しめるかとか、そういった基準をはっきりさせた上で採用を進めていかなければならないと感じています。

─ エンジニアの採用を行う際は、どのようなことを大切にされているのでしょうか?

シアン:ヘンリーのメンバーは優秀な人が揃っていますので、そのメンバーと一緒に働けるスキルセットが大切なのはもちろん、複雑なドメインの難しさに負けずに自分事化して取り組めるかどうか、といったところも採用のキーポイントになります。

我々受け入れる側としても、難しいドメインに飛び込んできてくれる人への受け入れ体制をしっかりと整えて、心配せず飛び込んできてもらえるような環境にする必要がありますね。 ─組織としてやるべきことと、個人がやりたいことのバランスは取れていますか?

ソンム―:今は事業の成長・拡大を大切にしたいフェーズでもあるので、全てのメンバーの「これがやりたい!」という希望を叶えられているわけではないと思います。でも個人のやりたいことも大切にしたい、という想いはみんなが持っています。

社内ではwill-can-mustの話がよく出てきますし、採用のタイミングであったり、人の配置転換や役割の変化が発生するときに「その人のwillはどうなんだっけ」という話はかなりたくさんする会社です。やっぱり、自分のやりたいことをやっていた方が生産性の向上につながるのは間違いないですし、今後も疎かにしたくない部分ですね。

一人ひとりが熱意を持って成長し続けていくヘンリー

─ お二人が描くVPoEとしての展望についてお聞かせください。

シアン:これまでプロダクトチームにフォーカスして動いてきましたが、今後はヘンリーの組織全体に目を向けて、カルチャーを作っていく立場になります。プロダクトチームのチーム作りで感じた課題や培ってきたノウハウは、プロダクトチーム以外のところでもしっかり活かしていきたいですね。

ソンム―:私はスタートアップの熱狂が好きで、みんなで目線や価値基準が揃っている中で物作りをしていく過程が好きなので、それを組織が拡大していく中でも維持していきたいと思っています。

だんだんと一人ひとりの当事者意識みたいなものが薄れてきたりとか、組織が縦割りになっていったりとか、それで熱を失って面白くなくなってしまうことは、組織拡大に伴って起こりやすいと思うんですよね。そういうことが起きないように抗いたいという想いはすごくあるので、文化の定着やチームワークの促進といったところに取り組んでいきたいです。

─ 最後に、ヘンリーに興味をお持ちの方へのメッセージをお願いします。

ソンム―:ヘンリーはエンジニアリングに対する理解度がかなり高い組織です。営業の人やCEOの2人も、エンジニアリングのことを学んだり目線合わせをしてくれているので、エンジニアにとってはかなりいい職場だなと思いますね。

また、企業としてあるべき姿を描いて「理想駆動」していくこと、そしてみんなが立場や情報を「ドオープン」にして「爆速アウトプット」していく、というバリューはやっぱり大事にしたいと思っています。そういったところに共感していただける方は、ぜひ一度カジュアル面談などでお会いしましょう!

シアン:ヘンリーはこれまでも激しい変化を経験してきました。これから成長を加速させていく中でも、課題が出てきたらみんなで解決し、その繰り返しの中で組織も様々な変化を変化を遂げていくことでしょう。

そういった課題解決のプロセスや変化のプロセスを味わいながら仕事がしたいという方には、ヘンリーはすごく面白い環境だと思っています。今後新しく入ってこられる方とも一緒に楽しんでいけたらいいなと思いますので、まずは気軽にお話ししましょう!


ヘンリーでは、さらなる成長に向けて採用も積極的に行っています。ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

https://jobs.henry-app.jp/