こんにちは。ヘンリー CEOの逆瀬川です。
この記事は株式会社ヘンリー - Qiita Advent Calendar 2024の25日目の記事です。前回はあかつきんぐさん の「CSキャリアの描き方(カスタマーサクセス・カスタマーサポート)」でした。
私たちヘンリーは、病院向け基幹システムとして電子カルテ・レセコンを開発・提供している会社です。医療システムの開発は、単なるソフトウェア開発以上の意味を持っています。私たちの製品は、病院の業務効率化だけでなく、地域の患者さんへの貢献、そして日本の医療全体の発展に貢献できる可能性を秘めていますと考えていますので、それについて本日は説明したいと思います。
病院への貢献
医療機関が直面している最大の課題の一つが、膨大な業務負担です。先日訪問した地域の中心的な病院でも、大量の紙を使って業務を行なっていました。毎年、段ボール250箱分のカルテが生み出されて保存されています。(カルテは法令で5年保存する必要がある。)
紙を減らし、全体の業務フローを変革することが出来るのが、基幹システムを提供している会社の面白さです。
例えば、とある病院さんでは、今まで保管義務のある様々な書類を紙で保存していましたが、厚生局に許可を取り、法令上のルールを満たすかたちでHenry上に保存し、紙を大幅に減らすことに成功しました。
また、他の病院様の例ではリモートワークを一部取り入れ、医師が家から指示が出せるようになったり、スタッフも家で会計・請求業務をを行うことが出来るようになりました。
より詳しい導入事例は、以下の記事でご覧いただけます:
患者様への貢献
B2Bの事業だから患者様への貢献が感じにくいのかという印象をお持ちのあなた。そんなことはありません。 ヘンリーを導入する医療機関様は、もれなく地域の医療を支えている病院であり、そのことに誇りを持っています。電子カルテを入れていく過程でも素晴らしいエピソードを聞くことが出来ます。
例えば、とある緩和ケアの病院様の話です。緩和ケア病棟の病院では、その方々の感情に寄り添いながらケアしていくことが重要になります。以前は、紙で看護記録を取られていたのですが、「Henry」導入後は、その場で電子カルテに記入できるため、生の感情を即時に記載することが出来、患者様やご家族のお気持ちを忘れずに記録することが出来るようになりました。「お気持ちに寄り添ったケアを重要視するホスピスの病院にとって、とても大きな進歩だと言えます。」と看護師長の方に仰っていただきました。 また、他の病院様では、「Henryを導入後約1年で、入院のベッドの稼働率を100%に上げることが出来ました!」と嬉しい報告をもらいました。今まで、病院の業務が忙しく受け入れる事ができなかった患者さんが入院出来るようになるのは素晴らしいDXの成果ではないしょうか。
医療全体・国への貢献
病院の現場を理解している事業者として、病院DXの理想を発信して行くことは、私たちの重要な使命だと考えています。 ヘンリーは、唯一のクラウドネイティブの電子カルテ・レセコンを提供しており、業界内で最新の技術プレイヤーとして国や業界団体への声が届きやすい状況になってきています。今年は元厚生労働省のメンバーも参画し、政策提言や情報発信の機会が増えています。また、厚生労働省関係者にHenryを導入した医療機関の現場を視察いただく機会を設けたり、医療政策に関心の高い議員の方々へ直接提案する場をいただくこともできました。
こうした取り組みを通じて、現場での業務改革の成果を国の政策に反映させ、日本の医療全体に貢献する可能性を強く感じています。
製品開発チームがどのように貢献しているか
Henryでは、導入支援を担うメンバーが中心となり、病院現場の業務フロー改革を推進しています。その一方で、製品開発チームも現場で生じる課題やニーズを直接収集し、反映させる体制を整えています。ユーザーインタビューの実施や病院訪問を通じて、チーム全員が現場の声を共有し、理解を深めています。
最近では、導入支援チームと製品開発チームが連携し、「運用合意ミーティング」という取り組みを始めました。運用フローを双方で検討・提案し合うことで、製品開発チームも現場の業務改革に直接関与できる体制を作り上げています。まだ改善の余地はありますが、この取り組みを通じて、現場と開発が一体となって医療DXを推進する取り組みが整いつつあります。
今後は、病院のDXの先にある患者様や社会全体へのインパクトを見据え、日々の業務に取り組んでいきたいと考えています。
日本の医療現場の未来を作る仕事をしよう!
Henryを開発することは、日本の医療現場の未来を創造する挑戦です。確かに難しい課題も多いですが、それだけにやりがいのある仕事です。まだプロダクトも組織も発展途上ですが、チーム全員で力を合わせ、より良い未来を築いていきましょう。