株式会社ヘンリー エンジニアブログ

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経営層が知るべき、目標と見積りの話について

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こんにちは。ヘンリーCEOの逆瀬川です。

今日は、ソフトウェア見積りという本を社内輪読会で読んでいるのですが、この本のお陰で、目標と見積りに関するコミュニケーションが劇的に改善したお話をします。

ソフトウェア見積りはとても良い本なので、他にも紹介したいことがありますので、それは別の機会に。

皆さんは目標や見積りはどのような意味で使っていますか? デジタル大辞泉によると、目標とは、「 行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。」と定義されてます。

皆さんがイメージしていた内容ではないでしょうか?私たちもあまり認識がずれるとは思ってなかったので、社内であまり定義せずに使っていた結果、下記のような問題が発生していました。

  • 目標と必達目標が生まれ、どちらの話をしているのかがわからない
  • 目標の期日と品質がいつの間にか必達水準に変わってしまうため、見積りをそのまま目標としてしまう
  • 見積りのコミュニケーションをしていたはずが、いつのまにか目標にすり替わってしまう
  • 元々出したい期日が目標として決まっており、その目標を達成前提で計画する。(しかも、その計画が非現実的)
  • 開発スケジュールが遅れに遅れ、見積り不要論が発生する
  • 開発スケジュールが遅れに遅れ、逆に同じような見積りを何回もする

などなど

結果、目標に関してミスコミュニケーションが多発しており、目標とはどうあるべきだという議論をしつつ、結論が出ないままフラストレーションが溜まる日々でした。 そこで、ソフトウェア見積りという素晴らしい本に出会います。

“ターゲット“と“コミットメント“と"見積り"と

ソフトウェア見積りに、見積り、ターゲット(目標)、コミットメントについての説明がありますが、まさに求めていたものでした。 しかも、1章に求めていたものが!!

- 見積り : プロジェクトにかかる期間やコストを予測
- ターゲット : 実現したいビジネス上の目標を明文化したもの
- コミットメント : 定義された機能を、特定の品質レベルを確保しながら期日までに納品するという約束

「この日までに終わらせたい」が見積りを歪めていた

スタートアップたるもの、なるべく早く開発したいし、Over達成したいものです。ましてや、私は楽天出身です。

いつの間にか、見積りを出す時または見積りを受け取る時に、目標を伝えていました。

みなさんもこういう経験あるのではないしょうか?

"見積り"と"ターゲット"の分類が全てを救う

“ターゲット“と“コミットメント“と"見積り"を分けて、コミュニケーション取るようになったため、社内のコミュニケーションがだいぶ改善されています。

「XXXの機能ですが、見積りとしては3週間程度で終わりますが、ターゲットとしては、2週間で終わらせたいと思っています」

「年内のロードマップですが、見積りとしては、1.5ヶ月ほどはみ出る可能性が高いです。XXとYYが特にリスクが高いので、それを早めに解消して、再度見積りとターゲットを決めましょう!」

などなど、建設的な意見が生まれるようになりました!

ソフトウェア見積りは、今年一番読んで良かった本といっても過言でもないので、ぜひ、プロジェクト進行や見積りなどで困っている方は読んでみてください。

経営者の皆さん、「それいつ終わるの?」って聞いてないですか?

最後に、自戒も込めて。 経営者が「それいつ終わるの?」と聞くと、コミットメントのように聞こえます。

そのため、回答する人は固めな目標を出すケースが多いと思いますし、経営者自身も正しい見積りを聞ける機会を失ってます。 ターゲットと見積りとコミットメントを分けて聞くことで、正しくコミュニケーションが取れるので、ぜひ使ってみてほしいです。

一緒に仕事をする仲間を募集しています

ヘンリーでは、他にも社内勉強会を積極的に開催して、得た知識を事業推進にみんなで活かしています。 全ては、日本の持続可能な医療を実現するために。 困難で大変なことも多々ありますが、今後も高いターゲットを掲げて事業推進していきます! ぜひ、興味のある方は、採用サイトよりご連絡ください。

参考にした本

www.amazon.co.jp